016 定年後のファッションを考える(後編) ── シニアファッションの鍵は清潔感
- 空苑
- 8月31日
- 読了時間: 4分
清潔感とは、見た目以上の“印象力”
さて、前編でもお話しした「清潔感」。 「清潔さ」ではなく「清潔感」というのは、非常に定義が難しい言葉です。
どこかオーラのようなもので、自分よりも他人からの評価によるところが大きく、なかなか自分ではコントロールしづらい感覚があります。

残念ながら、人は歳を重ねるにつれて、髪・肌・姿勢、そして声に至るまで、さまざまな部分が衰えていき、清潔感が失われがちになります。
ほんの少し気を抜いただけで、なんとなく「不潔そう」という印象を与えてしまうこともあります。
誰も口には出してくれませんが、所作ひとつ、着こなしひとつで「くたびれた印象」と判断されてしまうのです。
アンチエイジングのテクニックは世の中にあふれていますが、長い目で見れば、永遠に美しくいられる魔法はありません。
けれど、唯一「清潔であろう」とする姿勢だけは、年齢に関係なく、いつでも確実に印象を変える力を持っています。
それはテクニックでも魔法でもなく、いくつになっても通用する、心の在り方そのものなのだと思います。
清潔感は、日々の“ひと手間”から
髪は少ないなりにもきれいに整える。
髭をきちんと揃える。
鼻毛に気を配る。
たとえ歯が入れ歯であっても、口の中を清潔に保つ。
そして……苦虫を噛み潰したような顔ではなく、「口角を上げる」。
身だしなみも同じです。
アイロンをかける
襟を正す
ボタンを留める
サイズに気を遣う
これらひとつひとつを丁寧にするだけで、「くたびれ感」はぐっと軽減されます。
逆にこれらのことを全部手を抜けば、見事に「くたびれたオッサン像」が完成してしまいますから、やはり「清潔すぎるくらい清潔」を心がけるくらいがちょうど良いのだと思います。
多少、被害妄想かもしれませんが、年配者はどうしても「不潔」という先入観で見られることが多いように感じます。
この年齢になってモテようとか媚びようとは思いませんが、少なくとも「不潔」という理由で周囲から疎まれるのは、やはりつらいものです。
清潔でいることは、自分のためでもあり、健康のためでもあります。
清潔感を磨くことは、決して損なことではありません。
清潔感を心がけることは、このブログのテーマでもある「丁寧な老後」を形にする、日々の習慣のひとつだと思います。
では実際に、そんな「清潔感」と「装い」を楽しみながら人生を輝かせている素敵な先輩たちをご紹介しましょう。
SNSで輝く、シニア・ファッションインフルエンサーたち
いやあ、世の中のシニアにはエネルギッシュな方がたくさんいらっしゃいますね。
年を重ねてからSNSに目覚め、ファッションへの興味を再燃させた方も多くいらっしゃいます。
それぞれ個性的ですが、皆さん一様に「人生を楽しんでいる感じ」がにじみ出ていて、本当に素敵な表情をされており、少し羨ましくもあります。
あまり奇抜だったり高価すぎるファッションではなく、日常のコーディネートの参考になりそうな方々をピックアップしてみました。
仙台在住の白髪のご夫婦が、素敵なコーディネートを発信されています。
ごく平凡なお二人ですが「こんな夫婦になりたい」と思わせる、仲睦まじいお揃いコーディネートで、幅広い世代から人気を集めているインフルエンサーです。
神戸在住。ファッション関係のお仕事をされている方ですが、ご自身は年齢にマッチしたシンプルなコーディネートを上手に発信されています。 これぞ「シニアのおしゃれ」という感じで、私たちにも大いに参考になります。
海外から、ドイツ在住の方をご紹介します。 「おしゃれすぎるおじいちゃん」として話題の方です。 70代とは思えないセンスと姿勢は、まさに見習うべきもの。
スーツを中心とした洗練されたコーディネートを発信されています。
女性のインフルエンサーの方々も、検索すれば本当にたくさんいらっしゃいます。
皆さん、生き生きとおしゃれを楽しんでおられます。
皆さんこの歳になると、楽しいことばかりの毎日ではないはずですが、それでも自分が楽しみながら、人を元気にできるような発信を続けておられます。 見るたびに「よし、自分ももう少し楽しんでみよう」と思えるのです。
装いがもたらす心の変化と「丁寧な老後」
さて、前回・今回を通してのテーマは「シニアの装い」でした。
たかがファッション、されどファッション。
確かに、いつもより気合の入った服装で街へ出ると、気分も歩き方も変わります。
「おばあちゃんに真っ赤なルージュを贈ったら、まるで花が咲いたように明るくなった」—— そんなエピソードが示す通り、装いには人をポジティブに変える力があります。
シンプルもよし、派手もよし。 自分が好きなもの、元気になれるものを身につければ良いと思います。 でも、「無頓着にだけはならないように」気をつけたい——そんな今日この頃です。
それではまた。
無理しない、諦めない ハイエイジ ハイライフ!



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