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007 “わくわく感”がもたらす変化──シニア世代のわくわく感と健康寿命の意外なつながり

  • 執筆者の写真: 空苑
    空苑
  • 6月28日
  • 読了時間: 5分

更新日:8月5日

さて、空苑です。

前回のブログでは、「わくわく感」がシニアのメンタリティに与える影響についてお話ししました。 では、健康だから「わくわく」できるのか、それとも「わくわく」するから健康なのか? 「鶏が先か、卵が先か」のような問題ですが、人生の活力の源泉とも言える“わくわく感”について、今回はもう少し深掘りしていきたいと思います。


テレビを見ている老夫婦
generated by Midjourney ※画像はイメージです

 現代のシニアは昔より若い?  


現在の60代は、昔に比べて圧倒的に若く見えます。  例えば、アニメ『サザエさん』の磯野波平は54歳、フネは推定52歳前後と言われていますが、当時(昭和初~中期)の平均寿命が男性約63歳、女性約67歳ということを考えると、波平やフネが“おじいちゃん・おばあちゃん”として描かれているのも納得できます。

一方、令和の現在、60代の平均寿命は男性が約81歳、女性が約87歳。  医療の進歩やアンチエイジング技術、さらにはファッションやライフスタイルの変化により、今の60代は「まだまだ若い」と感じます。

もちろん、サザエさんが描かれた時代と現代を単純に比較するのはナンセンスですが、その背景の違いを考慮しても、現在のシニア層が昔よりアクティブであることは間違いありません。

しかし、いくら寿命が延びても、加齢による身体的な衰えは避けられません。  そこで最近注目されているのが「健康寿命」という概念です。



  わくわく感と健康寿命の関係  

健康寿命とは?

世界保健機関(WHO)の定義によると、健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のことを指します。

日本における最新の健康寿命は、 男性:約72歳 女性:約75歳

平均寿命と比較すると、約10年ものギャップがあることがわかります。  ただ「日常生活が制限されることなく」の度合いが広すぎて、どこまでが健康寿命なのかの判定は難しいですが、この期間をいかに短くし楽しく充実した日々を過ごすかが、シニアにとっての最重要課題ではないでしょうか?



健康寿命を延ばすカギは「幸せホルモン」

健康寿命を延ばすためには、病気を防ぐこと、特に免疫力を高めることが重要です。

ここで注目したいのが、「幸せホルモン」と呼ばれるホルモン群。  実は、前回ご紹介したドーパミンもその一つですが、これらのホルモンがストレスの軽減やポジティブな感情の維持に関わり、免疫力にも影響を与える可能性があると、さまざまな健康情報サイトなどでも紹介されています。

代表的な幸せホルモンには、以下の3つがあります。


セロトニン  精神の安定や幸福感に寄与する神経伝達物質。 腸内環境や生活リズム、軽い運動などが分泌を促す要因になるとされています。 免疫力との関係についても、いくつかの研究で注目されています。


オキシトシン  人との触れ合いや信頼関係の構築時に分泌されるホルモン。 ストレス軽減やリラックス効果が期待され、これが結果として免疫機能の維持に良い影響を与える可能性があると言われています。


ドーパミン  快感や多幸感、やる気の形成に関連するホルモン。 目標達成時の喜びや達成感を感じたときに分泌が促進されるとされ、意欲の維持やストレス対策にも関わっていると見られています。


これらのホルモンがうまく働くことで、ストレスが軽減され、前向きな気持ちを保ちやすくなるという仕組みが、結果として健康寿命の延伸にもつながっていく──そんな可能性が示唆されています。

  「わくわく」の種はどこにある? ── 日常に潜む小さな楽しみを見つける力  

「わくわく感」は、なにも非日常的なイベントやお金をかけた体験だけから生まれるものではありません。日々の暮らしの中にこそ、たくさんの“わくわくの種”が潜んでいるのです。

いつもと違う道を歩いてみる、気になっていた初めてカフェに入ってみる、普段聴かないジャンルの音楽に触れてみる……。これらの小さな発見が、脳に刺激を与え、ドーパミンなどの「幸せホルモン」の分泌を促すきっかけになります。 もちろん好奇心のアンテナが敏感でなければ、いつもどおりの日常として気づかず通り過ぎてしまうほど小さな揺らぎかも知れません。


歳を重ねるごとに新しい体験が減ってゆくのは仕方のないことです。

これは多少の変化は長い人生の中で、既視感のあるものとして流してしまうからです。


もういちど、感受性を研ぎ澄まして、意識的に「初めてのこと」に触れる姿勢が、シニア世代にとっての人生の潤いとなるでしょう。



  「わくわく感」が健康寿命を延ばす?  


多幸感や「わくわく感」は、上記のホルモンの活発な分泌に関与することがわかっています。 しかし、この「わくわく感」も加齢とともに鈍化してしまうのが現実です。

加齢による鈍化に加え、シニア世代には「健康」「介護」「お金」といったネガティブな問題が大きくのしかかり、ポジティブな気持ちにさらにブレーキがかかります。  これらを乗り越えるメンタリティの鍛え方は本当に難しいです。

人それぞれ問題も違いますし、人生ここまででメンタルポイント(私独自の観念です。嬉しいことや辛いことがあったときに貯まったり消費したりする、メンタルの強さの度数、みたいなものですかね)も違いますから、一律に対処法を謳うこともできないとは思います しかし、どんなにネガティブな状況の中でも、ポジティブのタネは転がっていると信じ、なにがなんでも「ポジティブ>=ネガティブ」なメンタリティを保つんだ、という強い意志だけは持って生きようと私は心がけています。  メンタルポイントがマイナスの状態が長く続くと、健康に悪影響を与えることは想像に難くありません。




  健康寿命を延ばして「プレミアムイヤーズ」を楽しむために  


今回はわくわく感と健康寿命、そして幸せホルモンについて書いてみました。

加齢による身体や精神の衰えは誰にとっても不可避ですが、感受性だけは老化させないように鍛えることで、そのスピードを緩やかにすることは可能だと信じています。 そんな前向きな姿勢で、皆さんと一緒に「プレミアムイヤーズ」を楽しむ方法を探していけたらと思います。

頑張らない、諦めない  ハイエイジ、ハイライフ


次回も、どうぞお楽しみに!


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