top of page

006 “わくわく感”の正体とは?:シニア世代に効く脳科学的ドーパミン活性法

  • 執筆者の写真: 空苑
    空苑
  • 6月23日
  • 読了時間: 5分

更新日:8月5日

さて、空苑の「プレミアムイヤーズ」です


子どもの頃、新しい遊びや遠足の前夜に、心が踊るような「わくわく感」で胸がいっぱいになった想い出はどなたにもあると思います。

ただ、記憶としては覚えていても、あの時の肌感覚を今リアルに再現できますか?


キャンバスに向かって絵を描く老婦人
generated by Midjourney ※画像はイメージです

 「わくわく感」とは何か? 脳科学的ドーパミン活性法   


「わくわく」の正体とはなんでしょうか? 健康寿命とホルモンはどう関係しているのでしょうか? 脳科学の分野では、「わくわくする感覚」は、ドーパミンという神経伝達物質の分泌によって引き起こされるとされています。  ドーパミンは「報酬系」とも呼ばれる脳のシステムに関わり、新しいことや興味深い体験をするときに活性化されます。

誰しも、仕事・恋愛・趣味・スポーツ・旅行・音楽・映画・イベント・テーマパークなど、何かしらでわくわくした経験があるはずです。  それは達成感、初めてのデート、褒められたとき…さまざまな場面で起こります。

映画のワンシーンのように、そのときの場面を思い出してみましょう。  脳内で詳細にその情景を再現できますか? 写真や記念品、日記など、記憶を補強するものがあれば活用してください。

うまく感情に没入できたなら、今まさにドーパミンが分泌されている可能性が高いのです。 これが、わくわく感の正体の一つと言えるでしょう。

ちなみに私の場合、腹式呼吸で下腹を引っ込めたり戻したりすると、心臓の高鳴りのような感覚が再現されてよりテンションが高まります。

この「わくわく感」は、シニア世代の心身の健康に良い影響を与えると考えられています。



  「小さな挑戦」がドーパミンを呼び覚ます  



新しいことに挑戦したり、小さな目標を立てて達成したりする行動は、脳の中で「報酬予測(anticipation)」を引き起こし、ドーパミンの分泌を促進します。  特に「初めての体験」や「少しだけ背伸びした挑戦」は、脳への刺激が大きく、ドーパミンが活性化しやすいのです。 ※記憶を使った脳の報酬予測メカニズム(理化学研究所, 2004) 実際の研究では、「予測可能な報酬」よりも「不確実で期待を伴う報酬」の方が、ドーパミン神経をより強く活性化することが示されています。 つまり、「うまくいくか分からないけど楽しみ!」という“期待の大きい予測”こそが、わくわく感の源泉なのです。

この仕組みをうまく活用すれば、年齢に関係なく、脳内でドーパミンを引き出すことができます。


  わくわくするための5つのヒント(実践編)  



  1. 新しいことに挑戦する


    年齢を重ねると、つい自分のできる範囲の中だけで毎日を過ごしがちです。  でも未経験の趣味を始めたり、行ったことのない場所に旅行したりすることで、脳は刺激を受けてドーパミンが分泌されます。


     「やったことがないから不安」ではなく、「やったことがないことが、まだまだある!」と楽しみましょう。

  2. 小さな目標を設定する


    目標を持つことで、その達成の過程に報酬予測が働き、「わくわく感」が生まれます。

    例えば:

    • 「今週は新しいカフェに行く」

    • 「毎日10分間ストレッチをする」

    あるいは以前ご紹介した:

    • 「いつもより丁寧に歯を磨く」

    • 「使った物はすぐ戻す」

    といったことでもOK。


     小さな目標を一つずつ達成することで、わくわく感は習慣になります。

  3. 好奇心を持ち続ける


    好奇心は1.の「新しいことに挑戦する」力の源泉です。


    世の中にはまだまだ自分の知らない、面白いことが無限にあります。


    読んだことのないジャンルの本を読む、気になったことは調べるなど、好奇心のアンテナを常に立てておきましょう。

  4. 誰かとワクワクを共有する


    楽しいことや感動は、人と共有することで何倍にも膨らみます。

    友人や家族を誘って新しい体験をすることで、わくわく感も増幅します。

  5. 口角を上げる


    これは今すぐにできる、最も簡単な方法です。 「笑顔の力」は侮れません。 多少わざとらしくても、鏡の前で口角をクイッと上げてみましょう。 そしてそのままキープ。 気持ちが前向きになり、対人関係でも好印象を与えます。 最初は家族も変な顔をするでしょうが、すぐ慣れてくれるでしょう。 ただし人混みや満員電車などではご注意を…。

  人生の彩りとしての「わくわく感」   


刺激というのは、ファーストインパクトが一番強く、そこから時間が経つにつれ徐々に減衰していきます。 歳を重ねると、若い頃のような初期衝動的な高揚は難しいかもしれませんが、シニア世代にこそ、「穏やかに長く続くわくわく感」が必要です。

たとえば私自身、何度も独学で挫折したジャズギターを、ついに教室で学ぶ決心をしました。講師は息子ほどの年齢ですが、「教わる」という感覚がとても新鮮で、毎回楽しみに通っています。

元同僚は、定年後に絵本づくりの教室へ。また別の人は「ボイトレ(ボイストレーニング)」に通い始めました。二人とも若い人に交じって学ぶ楽しさを実感しているようです。

得意なことを掘り下げるのもよし、未知の分野に挑戦するのもよし。 日々の中に「わくわく感」を取り入れることで、人生はより豊かに、彩りあるものになります。



  無理のない「5秒先」の目標から  


もちろん、心身の不調やストレス、その日の気分で「わくわく感」など持てないよ、と感じるときもあるでしょう。


そんなときは無理せずに。 たいそうに考えなくてもいいです。 「5秒後にできること」からでもいいので始めてみましょう。 頑張らない、諦めない ハイエイジ・ハイライフ!

コメント


bottom of page